NISAでオルカンやS&P500を積み立てている人は多いと思います。僕もその一人です。
でも、一つ聞きたいことがあります。もしリーマンショック級の暴落が来たら、あなたの資産が半分になる。それに耐えられますか?
オルカンもS&P500も、中身は株式100%です。リーマンショック時には-50%、コロナショックでも-30%以上の下落がありました。500万円が250万円になる世界です。
「長期で持てば戻る」と頭ではわかっていても、実際に含み損が200万、300万と膨らんでいく画面を見て、何もせず持ち続けられる人がどれだけいるか。
そんな中2027年1月、NISAが改正されます。この改正で、暴落に強いポートフォリオをNISAの中だけで作れるようになります。
この記事の目次
▼ もっと見る
オルカン100%のリスクを知っておく
まず前提として、オルカンやS&P500を積み立てること自体は間違いではありません。僕自身もFANG+を積み立てているので、株式偏重であることは同じです。
ただ、オルカンもS&P500も実質的に株式比率100%だということは知っておいた方がいい。
過去の暴落で株式100%のポートフォリオがどうなったかを見てみます。
| 暴落 | 下落率 | 500万円が… |
|---|---|---|
| リーマンショック(2008年) | -50% | 250万円 |
| コロナショック(2020年) | -34% | 330万円 |
| FANG+ 2022年 | -40% | 300万円 |
積立額が大きくなるほど、この数字のインパクトは増します。1000万円なら500万円が消える。
もちろん長期で持てば回復してきた歴史はあります。でも、回復までに数年かかることもある。その間ずっと含み損を抱え続けられるかは、金額が大きくなるほど精神的にきつくなります。
債券を混ぜると何が変わるのか
債券は株式と逆の動きをしやすい資産です。株が下がる局面で、債券が下落幅を吸収してくれる。
つまり、暴落時のダメージが小さくなる。
その代わり、上昇局面でのリターンは株式100%より小さくなります。攻めの力は落ちるけど、守りが強くなる。
リターンだけを見れば株式100%が有利です。でも、大事なのは「下がった時にどこまで耐えられるか」。500万円が250万円になった画面を見て、冷静に積立を続けられるかどうか。
耐えられる自信があるなら株式100%でいい。不安があるなら、債券を混ぜて下がり幅を抑えた方が、結果的に長く続けられます。
最悪なのは、暴落に耐えられず底値で全部売ってしまうことです。それを防ぐための手段が債券です。
2027年NISA改正で何ができるようになるか
「債券を混ぜた方がいいのはわかった。でもNISAでどうやるの?」という話です。
実は、これまでNISAのつみたて投資枠では債券ファンドが買えませんでした。債券を買うには成長投資枠を使うしかなかった。
それが2027年1月から、つみたて投資枠でも債券ファンドが購入可能になります。
これによって、つみたて投資枠だけで「国内株式・外国株式・国内債券・外国債券」の4つに分散投資ができるようになります。
(出典:金融庁 NISAの制度改正について)
ちなみに、改正のポイントは他にもあります。
子どもNISAの新設:ジュニアNISA廃止後の後継として、子ども向けのNISAが作られます。
国内株式指数の拡充:読売333指数やJPX Prime 150指数がNISA買付対象に追加されます。
ただし、個人投資家にとって一番インパクトが大きいのは債券ファンドの解禁です。
ちなみに、僕たちの年金を運用しているプロの機関投資家「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」は、株式の比率を50%に抑えて残りを債券で運用しています。
将来使うお金なのに、僕たち個人投資家の方がプロよりも大きなリスクを取っている。冷静に考えると怖いことです。
GPIFの基本ポートフォリオはこうなっています。
オルカン・S&P500は株式100%。一方でGPIFは株式と債券を半々にしている。この違いが、暴落時のダメージに直結します。
では、GPIFは具体的にどう分散しているのか。内訳がこちらです。
GPIFの基本ポートフォリオ(出典:GPIF公式サイト)
株式50%・債券50%。この配分を、2027年からは個人がNISAのつみたて投資枠だけで再現できるようになります。
バランスファンド1本 vs 4本個別保有
「じゃあバランスファンドを1本買えばいいのでは?」と思うかもしれません。確かにそれでも4資産分散は実現できます。
ただし、バランスファンド1本だと2つのデメリットがあります。
デメリット1:設計の自由度がない
バランスファンドは資産配分が固定されています。20代の若いうちは株を多めにしたい、50代になったら債券を増やしたい、といったライフステージに合わせた調整ができません。
デメリット2:出口の自由度がない
お金が必要になって取り崩す時、バランスファンドだと株も債券も同時に売却されます。株価が下がっているタイミングでも、株ごと売られてしまう。
4本に分けて個別に保有していれば、株が下がっている時は債券だけ売却して、株はそのまま持ち続けるという選択ができます。
| バランスファンド1本 | 4本個別保有 | |
|---|---|---|
| 設計の自由度 | 比率固定(調整不可) | ライフステージに合わせて変更可能 |
| 出口の自由度 | 株も債券も同時売却 | 状況に応じて選んで売却できる |
| 手軽さ | 1本で完結 | 4本の管理が必要 |
手軽さではバランスファンドに軍配が上がりますが、自由度を取るなら4本個別保有の方が有利です。
自分に合った配分の考え方
「で、結局どの割合にすればいいの?」という話です。
基本的な考え方はシンプルで、年齢が上がるにつれて債券の比率を上げていく。
若いうちは労働収入もあるし、暴落しても回復を待つ時間がある。だから株式の比率を高めてリターンを狙う。
年を重ねて資産が大きくなったら、守りの比率を上げる。退職後は資金寿命を延ばすことが最優先なので、債券比率をさらに高める。
こうやってライフステージに合わせて比率を調整していくことを「リバランス」と言います。2027年からは、NISAの中だけでこのリバランスができるようになります。
僕自身のポートフォリオをどう変えるか
正直に言うと、今の僕のポートフォリオは株式に偏っています。FANG+を積み立てているように、リターン重視で攻めている状態です。
ただ、今回の改正を知って考えが少し変わりました。
2027年以降は、つみたて投資枠の中で債券ファンドも少しずつ積み立てていこうと思っています。割合はまだ決めていませんが、まずは株式70〜80%・債券20〜30%あたりから始めて、年齢とともに調整していくイメージです。
「守りながら増やす」という考え方は、元現場作業員の僕としても腑に落ちます。現場でも安全第一が基本で、リスクを管理しながら作業を進めるのが当たり前。投資も同じだなと。
まとめ
- オルカン・S&P500は株式100%。暴落時に資産が半分になるリスクがある
- 債券を混ぜると暴落のダメージが小さくなる。狼狽売りを防げる
- 2027年1月から、NISAのつみたて投資枠で債券ファンドが購入可能に
- バランスファンド1本より、4本個別保有の方が自由度が高い
- 年齢に合わせて株式と債券の比率を調整していく(リバランス)
- 今すぐ変えなくていい。2027年までに自分のリスク許容度を考えておく
大事なのはリターンを最大化することではなく、暴落が来ても積立を続けられる状態を作ること。それが結果的に、長期で一番リターンが大きくなる方法だと思います。
僕自身もこの改正を踏まえて、2027年からのポートフォリオをどう組むか考えているところです。具体的に決まったら、また記事にします。
FANG+を積み立てている理由や、FANG+のシミュレーションも書いているので、合わせて読んでみてください。

